朝庭先にのそりと猫が入ってきた
ガラス戸越しに私を見ている
何を思っているのだろう
と思ったらにやりと猫が笑った
(ように思えた)
これ見よがしに伸びをして猫は去ったが
見えない何かがあとに残っている
それは猫のあだごころ?
それとも私のそらごころ?
空はおぼろに曇っている
猫がこれから行くところ
私がこれから行かねばならないところ
どちらも遠くではないはずだが
なぜか私は心もとない